中世ヨーロッパの生活

時代や地域を越えて共通する人間の性とは

随筆

花とケーキ

はじめに 私はとある金曜日、花屋の店先に立っていた。色とりどりの花は見ているだけで美しい........どれ、一束買おうかな。いや、何でもない日にお花を買うなど、ちょっと贅沢ではないか? いやいや、週末くらいお花を見ながら過ごしても良いのでは? 毎週…

午後、あるいは青空に対する哀愁

はじめに 私はよく晴れた日の午後に哀愁を感じることがある。小学生低学年あたりからそう思いはじめた。真っ青な空や、煌々と照らされた草木、光を放たない白い月、そういったものを眺めていると、物悲しくなる。それに飛行機が上空を通過する音。 成長する…

ファンタジーが逃避文学ではない理由

はじめに 世の中における一定数の人はこう信じています――「ファンタジーは逃避文学である」。ファンタジー文学の祖と言われるJ.R.R.トールキンも、ファンタジー小説を世に出したとき、世間から自身の作品がそのように捉えられ、無下に扱われることを憂慮して…

日本人作家によるファンタジー小説に添えられる英語題名はなに?

はじめに 最近おかしなことに気づきました。本屋へ行くと、さまざまな小説があります。そのなかの、外国語から翻訳された小説に注目してみましょう。翻訳本の場合、日本語に訳された題名の横に、ときに原題も添えてあるのではないでしょうか。 例えば角川文…

ファンタジー小説について語る3 おすすめ本

はじめに 前回の記事では、ファンタジー好き界隈で有名であると思われる本を7冊紹介しました。しかし「ファンタジー」ジャンルの枠として売られていなくても、ファンタジー好きを喜ばせてくれる要素――非日常の体験と冒険――がある小説は存在ます(そもそもフ…

ファンタジー小説について語る2 おすすめ本

はじめに 前回の記事では、ファンタジー小説に愛好家が少ない理由を考察しました。 第2回目の今回は、ファンタジー小説に興味があるという方向けに、ファンタジー好き界隈で有名であると思われる本を7冊紹介します。ぜひ自分に合う本を探してみてください。 …

ファンタジー小説について語る1 愛好家が少ないのはなぜ?

はじめに 先日、日本神話を基にしたファンタジー小説『空色勾玉』などの著作で知られる、荻原規子のエッセイ『もうひとつの空の飛び方 『枕草子』から『ナルニア国』まで』を読みました。2時間ほどで読める気軽な本で、ファンタジー好きなら頷ける内容ばかり…

小説における翻訳のメリットとデメリット

はじめに 世界には偉大な文学作品がたくさんあります。『ロビンソン・クルーソー』、『レ=ミゼラブル』、『タタール人の砂漠』、『魔の山』……例として挙げた4作品はそれぞれイギリス、フランス、イタリア、ロシアの文学作品です。 多くの日本人はこれらの本…

喜劇にむなしさを感じる理由

はじめに 喜劇でも悲劇でもない小説にて、喜劇の要素も悲劇の要素も持つ物語は、どちらか一方の要素しか持たない物語より魅力的であると述べました。 わたしたちは幼少期には喜劇(ハッピーエンドの物語)を好みますが、成長するにつれて、悲劇の要素を含む…

喜劇と悲劇の側面をもつ小説

はじめに 神話学者のジョーゼフ・キャンベルは、あらゆるもの(生物・物質)は滅びゆくため、人は悲劇の物語に惹かれると述べます。つまりバットエンドを迎える物語です。しかし幼い子供は喜劇の物語を好みますし(「こうして王子様とお姫様は幸せに暮らしま…

作者との内輪話によって読書はより楽しくなる

はじめに 本を日常的に読んでいる方は、こんな経験があるかもしれません。同じ作者が書いた本でも、同じジャンルの本でもないのに、「この内容(表現)、他の本でも見たな……」。さらに驚かされるのは、遠い昔に読んだ本ではなく、直前に読んだ本の内容が、今…

人が小説を読む理由

はじめに 世の中には読書家と呼ばれる本をこよなく愛す人々がいます。わたしは彼らと肩を並べるほど多くの本を読んでいませんが、それでも本の魅力は多少なりとも知っているつもりです。 読書は良いものです。知らなかったことを教えてくれ、経験させてくれ…

『マギ』から学ぶ経済学

はじめに わたしは漫画をそれほど読まないのですが、唯一、本棚にずらりと大切に並んでいる漫画があります。……それは、大高忍先生の『マギ』です。 学生時代所属していた西洋中世史ゼミで、友人に勧められたのが『マギ』でした。友人曰く、実際に存在した国…

スマートスピーカーと口頭文化

最近はやりのスマートスピーカー。わたしの周りにも、グーグルホームを持っている友人が何人かいます。今回の記事では、「耳から得る情報」として、スマートスピーカーと口頭文化を関連づけて考えてみます。 スマートスピーカーとは スマートスピーカーとは…

昔、人は「今日」の日付をどのように認知したか (2)

なぜ、王侯貴族や神職に就く者は日付を意識しなければならなかったのでしょう。 王侯貴族 王侯貴族の場合、現代の仕事で日付認識が重要なのと同じです。つまり、日付がなければ彼らの仕事(治世)にあたり支障がでました。たとえば、参加率100%の会合を開く…

昔、人は「今日」の日付をどのように認知したか (1)

最近、気になったことがあります。 それは、その日の日付を、昔の人はどのように知っていたのか、ということです。 たとえば、現代であれば「今日」が何日か確認するのは簡単です。 書類を書くとき、よくやりますね。 「あれ、今日は何日だったかな…(スマホ…